お出かけばかりしていて、ブログがほったらかし。
気を取り直して安曇野探訪記を再開します。
長野県須坂市は蔵の町として有名ですが、屋根瓦も凝ったものが数多く残り、
須坂市立博物館が平成12年に開催した企画展「須坂の甍」の図録には
さまざまな鬼瓦や飾り瓦に交じって、二体の鍾馗さんが掲載されています。
さんろくさんはこの情報をもとに、現在でもこの鍾馗さんが保存されていることを
突き止め、我々の訪問の段取りまでつけてくださいました。
安曇野からはずいぶん遠いですが、今回のツアーの始まりは
外からは見ることのできない、収蔵鍾馗さん訪問からスタートです。
1体目は小河原新田町のAさん宅。
図録では屋根にのっています。
(「須坂の甍」より転載)
ところが、家の建て替えの際に降ろされて、
現在では玄関の土間に置かれていました。
ひびが入っているので動かすに動かせないそうですが、
大事にされていました。
信州に多い素朴な鍾馗さんとは完全に一線を画して、
均整が取れた高い技術を感じる鍾馗さんです。
うっかり聞き忘れましたが、さんろくさんはどうやって探し当てたのでしょう?
つづいて二体目は市街地中心部・穀町のMさん宅。
腰から下が欠損していますが、それでも50cmくらいある堂々たる鍾馗さんです。
蔵に収蔵してあるのを出してきていただきました。
(立派な鍾馗さんを前に色めき立つツアーメンバー)
現在も瓦関係の商売をやっておられますが、
先代までは瓦製造も手がけておられたそうで、
さんろくさんの聞き込みによれば、M家に招かれた三州の鬼師、
神谷喜三郎の作品ではないかとのこと。
剣はぶっとい金属製。耐久性を考えると正解ですが手がこんでいます。
また、細部には、茶、緑、黄の彩色の痕跡が残ります。
いったいどんなに華やかな鍾馗さんだったのでしょうね。
他にもこちらには様々な瓦が保存されており、Mさんはわざわざ事情に詳しい
親戚の方にも声をかけていただき、貴重なお話を伺うことができました。
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