寺の大きな鬼瓦に対しては戸口に貼る紙のお札よりも、同じく屋根に瓦の鍾馗像をあげた方がより効果的なのは確かで、このような用途で作られた瓦鍾馗がやがて鍾馗札に変わって一般の民家にもあげられるようになっていったのかもしれません。
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鍾馗札が瓦鍾馗に置き換わっていったとすれば、
もう少し玄関鍾馗が多くてもいいような気がするのですが、
瓦鍾馗の据え付けは多くは瓦葺き職人さんによって行われるので、
職人さんとしては屋根葺きと同時に屋根に据える方が、
仕事の手間がかからないということかもしれません。
これから、鍾馗さんを後から買ってきてあげることが増えるようなことがあれば、
家人でも作業ができる玄関鍾馗さんが多くなるかもしれませんね。
玄関の上に作られた小ぶりの入母屋屋根の破風部分に
鍾馗さんが置かれるケースもかなりあるようです。
広義の「玄関鍾馗」とも言えますがこちらの分析はまたの機会に。
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